3月12-13日(土)(3-5日目)
オンライン形式での初めての実習。
過去2回の実習では会議室のモニターにPCを接続し、
ExcelでクロスSWOTを作成し、重要提言を抽出していったが、
今回はMIROというオンラインホワイトボードツールを使用することで、
音声はTeamsで、説明はMIROを使用する。
他の実習チームで会議室のホワイトボードに付箋をたくさん貼り付けながらSWOT分析しているのを見たが、
それのオンライン版である。
オンライン版なので、拡大したり、縮小したりできるが
けっこう探すのが大変だと思った。
以下が私がまとめた現状の特性要因図である。

この会社は自動車整備サービス業なのだが、キャッシュフローが悪化し、前年度は赤字であった。
仕事はある。固定客も多く、信用もあるので、普通にやっていれば赤字になることはない。
赤字になっている原因をポーターの5フォース分析では、3+2に分けて分析してみよう。
新規参入者、代替品、競合他社と
買い手(顧客)と売り手(サプライヤー)である。
大型車輌や特殊車両は整備にスキルが要求されるため、普通乗用車と違い、新規参入は難しい。
また、そんな社用車を多く抱える企業(物流会社など)はすでに決まった整備会社との信頼関係があるので、
参入障壁があると考えていいだろう。
同様に代替品となる整備も存在しない。
また、同地域には競合となる特殊車両を整備できる整備会社が数社あったが、
この診断先企業は既存顧客のみで精一杯であり、新規顧客を獲得するための競合会社はなかった。
したがって、買い手(顧客)に安くサービスを提供している可能性があった。
そして、社内の状況は上記の特性要因図であり、
ほぼ20年間、料金体系は見直しておらず、
近年の整備工不足による整備単価上昇に対応した料金見直しをしていなかった。
私はまず以下の提案をおこなった。
『営業プロセスを明文化して 高単価の受注増に対応できる体制を構築し、新規需要を取り込む』
【実施内容】
・社長が営業管理( 1. 目標管理 2. 予実管理 3. 顧客管理)の業務プロセスを導入し実行します 。
①目標管理…目標を設定する際は勘と経験に頼るのではなく、過去の売上 実績や市場動向 、現場の整備実績などのデータに基づいて 、工場長と年間予算 と月別予算を設定し、会社全体で目標を情報共有します。
基本的に予防整備を徹底し、計画入庫(予約入庫)を営業します。
②予実管理…予実管理では実際の予算目標に対して実績をモニタリングし、PDCA サイクル(計画→実行→評価→改善)を回していきます。予実管理は月末の締め日だけでなく、
できるだけ高頻度で 受注実績と整備 実績をモニタリングします 。日々の振り返りにより、月末に予算未達成となってしまう前に早めの軌道修正 を行います。
③顧客管理…顧客ごとに、 どのような経緯で受注に至ったのか受注状況をデータとして記録しリスト化することで、全体の可視化と分析が可能になり、目標管理上の 優先順位をつけやすく、取りこぼしを防 ぐ効果があります。また、アフターフォロー に データを使用できるため、非常に有益です。
④進捗管理…整備案件ごとの担当工程ごとに横グラフを作成し、終わった工程は赤で塗りつぶします。この表を見て管理者が進捗を判断します。
【期待効果】
・業務プロセス導入により、新規受注目標として、フォークリフト 、高所作業車、吸引車等の高単価の新規 需 要を 積極的に取り込み、営業管理を行う
ことで、計画的に売上数値目標を達成します。
・業務プロセスを社長、工場長、整備士、事務スタッフの会社全体で情報共有することで社員全員の主体性(当事者意識)と貢献意欲を引き出します。
【留意事項】
・営業管理と進捗管理(受注から納品)については、数値目標の達成に向けて、社長と工場長で常に情報共有し、二人三脚で管理していくことが重要です。
・工場長、社長に依存しない一人前の整備士の育成 を行います (※人事労務パートで提案) 。
・社長のサポートとなる事務員と工場長の現場サポートができる副工場長の採用を進め ます (※人事労務パートで提案)。
・社長と工場長 間の連携を密に 、常に受注状況と整備進捗状況の 情報共有を行います (※情報パートで提案)。
まずは売上目標を達成し赤字体質から脱却するために、
営業目標を立て、営業管理を行うことと、受注後の整備の工程管理、進捗管理をきっちりこなしていく。
そして月次、四半期、通期の営業利益をキープし、着実に経営目標を達成することが
営業において、この会社がすべきことの第一目標だと考えた。
翌日に社長への報告会を行ったが、
このまずは黒字化のための営業利益、そのための売上高を目標として立て、
目標とする月間の売上高と営業利益の計画を立てる。
そして、受注するための営業活動を行う。
また、整備の工程をWBSおよびタスクに分解し、全整備工の平均時間を測定し、各WBSとタスクの標準時間を算出する。
標準時間以下のスキルの低い整備工については実技指導を実施し、標準時間内で収まるようにスキルアップを図る。
資格が必要な整備についても会社負担で資格取得支援を行う。
目標とする営業利益(率)から経費率を算出し、時間当たりのコストを算出し、
各WBSと各タスクの時間当たりコストを算出し、これに営業利益を乗せた整備単価を算出する。
この整備単価に全面的に改訂することで、売上高の底上げを図る。
そして、利益率の高い大型車輌と特殊車両に人的リソースを集中し、
これまでつきあいで受注していた普通車や小型車については関係会社にアウトソースする。
また、関係会社からの大型車輌や特殊車両をバーターで紹介してもらう。
案件受注後は、ガントチャートで進捗管理する。
これまでは納期までに間に合えばいいという感じで行っていたが、
各WBSとタスクの標準時間を超えた場合は営業利益が減る。
遅れが日常化すると、本来その月に受注できた案件を断らねばならなくなったり、
その月に完了できた案件ができなくなったりすることで
目標とする売上高を達成できないリスクが生じる。
したがって、納期基準ではなく、標準時間を基準としてタスクを完了しつづけなければならない。
なので、標準時間+アルファで算出して納期を決める。
結局、売上による収益は先になるのに、人件費は先に出ていくため、キャッシュフローが減る。
だから、目先の備品を購入するキャッシュに困ることになるのだ。
ガントチャートで各整備工がどの案件のどの工程、タスクを標準時間内にこなせているか、
その管理を今後は工場長にさせなければならない。
また、整備サービスの単価についてだが、他社のホームページの料金表を比較分析すると、
基本的な整備(料)は低く抑えてハードルを下げておいて、その他のオプションを高くするか、
オプション整備込みのパッケージ商品としてトータルコストで勝負するか
サービスの売り方も業者によって工夫が見られるので、その点についてもまとめた。
上記により、目標売上高の10%増を図る提案とした。
営業管理や進捗管理は営業パートより生産管理パートでは?と感じた方もいると思うが、
生産管理パート担当と調整した結果、営業パートで提案することになった。
3回目ということもあり、社長への説明も割とスムーズにできたと思った。
人事や生産管理のパートで社長からツッコミが入っていたが、
ヒアリング不足と担当者の思い込みがあったと思う。
報告会後は最寄り駅で解散となった。
駅前でそれぞれ感想を述べた。
コロナ感染者増のため、両国のKFCに行くのは指導員の先生だけで、
手直し等があれば先生がやってもらえることになった。
一応、連絡があればすぐに対応できるように家で待機していたが、
初回、2回目と同様に手直しはなく、そのまま受理され、実習は終了した。
駅前で述べたことは、
実習に参加し、SWOT分析を重ねていくうちに、
自分も含めて皆さんの強みと弱みが見えてきた。
また、診断士の資格のための知識について、
企業は一見当たり前のことを普通にやることが難しかったりするので、
それをどう伝えるか。一工夫が必要。
最近思うのは、会社経営とは航海のようだと思う。
最初は手漕ぎボートで社長一人で海に漕ぎ出していく。
または小さい漁船に数名の乗員。
そして、段々と船を大きくしていき、乗員も増えていく。
小魚を安定して狙うか、誰もいないエリアで独り占めを狙うか。荒れた海域で大魚を狙うか。
手漕ぎボートや小さい漁船の時は、弱い横波でも船は不安定に揺れ、操縦ミスにより横転することもある。
大きいクルーザーになっても座礁や他の大きい船との衝突による沈没のリスクはある。
もっと大きな船でも、船長の誤った判断により沈没することがありうる。
中小企業診断士のバッジは羅針盤だ。
経営コンサルタントとは水先案内人なのだろうか。
これで実習は終わった。

